愛猫の鼻詰まりが酷くなり
- いびきをかくようになった
- 呼吸音がうるさい
- 呼吸が苦しそう
猫にこのような症状が出た場合、それは「鼻腔内腫瘍」かもしれません。
私の愛猫・メイは、鼻詰まりが酷く、呼吸音がいびきのようになったため、CT検査を受けることになりました。検査の結果、「鼻腔内に腫瘍」があることが判明しました。
今回は、そんなメイの体験談を元に「猫の鼻腔内腫瘍」について解説していきます。
猫の鼻腔内腫瘍とは
猫の鼻腔内腫瘍とは、鼻腔や副鼻腔に発生する腫瘍の総称です。
鼻腔は空気の通り道であり、副鼻腔は鼻の周囲の骨にある空洞です。
犬猫の鼻腔内腫瘍の約80%以上が悪性腫瘍(ガン)といわれています。
猫の鼻腔内腫瘍の原因
鼻腔内腫瘍の原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています。
- ウイルス感染: 慢性鼻炎
- 環境: タバコの煙や大気汚染などの有害物質
メイの場合は、ウイルス感染による慢性鼻炎を長年患っていたため、最終的に鼻腔内腫瘍にまでなってしまったのだと考えられます。
猫の鼻腔内腫瘍の初期症状(メイの場合)
メイと一緒に暮らしていて、今思えば「あれは鼻腔内腫瘍の初期症状だったかも?」と思い当たる節がいくつかあります。
以前は、鼻詰まりが発生しても「慢性鼻炎が悪化しただけ」と思い込んでいました。
しかも、鼻詰まりについて獣医さんにお伝えしても「鼻腔内腫瘍」について言及されることは一度もなかったので、マイナーな病気なのかもしれません。
猫の鼻腔内腫瘍の症状
ここでは、一般的な鼻腔内腫瘍の症状と実際にメイに出た症状をご紹介します。
「猫の鼻腔内腫瘍」についてネットで調べると、目や鼻周辺が腫れて変形している画像がヒットしましたが、メイは一切そんなことはありませんでした。
メイの症状から、鼻腔内腫瘍は、猫によって症状が出たりなかったりなのだと感じました。
猫の鼻腔内腫瘍の診断(メイの場合)
メイは、以下の検査を経て、鼻腔内腫瘍の診断を受けました。
- CT検査: 腫瘍の大きさや位置、周囲組織への侵達などを詳しく調べる。
- 生検(生体組織診断): 腫瘍の一部を採取し、病理検査を実施。
鼻のCT検査と生検をするには、全身麻酔をする必要があるため、12時間の絶食と2時間の絶水をする必要がありました。
特に、メイは夜中にカリカリを食べることが多かったため、検査が午前中ということもあり、12時間絶食をさせるのはかなり辛かったです。
CT検査
CT検査は、大学病院や高度医療センターなど大きな病院でないと設備がないことが多いため、かかりつけ医から紹介状を書いてもらう必要があります。
メイの場合も、かかりつけの動物病院で紹介状を書いてもらい、大学病院で検査をすることになりました。
そして、メイの鼻のCT検査を受けた結果、鼻腔内に腫瘍があることが判明しました。
鼻腔内のCT値というものが「右が54%」「左が108%」だったそうです。
このCT値とは、大学病院の先生の説明によると、%が高いほど「肉々しい」ということらしいです。
「肉々しい」というのは、鼻腔内の腫瘍の密度?が高いということみたいなので、%が高ければ高いほど空気の通りが少ないということらしいです。
したがって、メイは左の方が空気の通りが悪く、呼吸がしにくいと推察できます。
確かに左の鼻の方が苦しい気がするニャン…
生検(生体組織診断)
生検(生体組織診断)は、腫瘍の一部を採取し、病理検査をすることです。
病理検査とは、体の一部から組織や細胞を採取し、顕微鏡などで詳しく調べる検査です。
主に、病気の診断や確定、病状や進行度合いを調べるために用いられるようです。
メイは、鼻腔内の組織を採取し、病理検査を行いました。
そして、検査の結果「化膿性炎症」と診断されました。
当初、大学病院の呼吸器科の先生からは「悪性腫瘍の可能性が高い」と言われていたのですが、結果は「化膿性炎症」。
「悪性じゃないんだ!良かった!」と思ったのですが…
今度は、放射線科の先生から説明があり「病理検査はすべてが正しいわけではない。今回のケースは、ガンの可能性が高く『腺がん』と思っていい」といったニュアンスの言い方をされました。
「え…病理検査に出した意味は…⁉」
と思ったのですが、組織は一部しか採取できないため、たまたま採取した部分が悪性でなかっただけという可能性も考えられるそうです。
結局、生検による悪性腫瘍の確定診断はできませんでした。
しかし、CTの結果から「鼻の先端の骨が欠けているレベルまで腫瘍が達していた」ことなどから総合的に判断して「悪性腫瘍」と診断したようです。
なんだか難しいニャンね…
猫の鼻腔内腫瘍の治療法
猫の鼻腔内腫瘍の治療法は、「腫瘍の種類」「大きさ」「進行度」「全身の状態」などを総合的に判断して決定されるそうです。
主な治療法としては、以下のものがあります。
今回、大学病院側から提案された治療法は、「放射線治療」でした。
てっきり「外科手術」になるのかな?と思っていたので、「放射線治療」を提案され、かなり動揺しました。(そもそも悪性だと思っていなかったので…)
ちなみに、放射線治療は、外科手術よりも侵襲性が低いらしく、メイの負担が少ないようです。
※「侵襲性」とは、身体に苦痛や負担を与える医療行為の全般のことを指します。
確かに、外科手術だと切って腫瘍を取り除くので、術後の痛みや不便さなどが発生します。
反対に放射線治療は、外科と違って何回か行わなければなりませんが、痛みはないらしいので、猫の心身の負担が少ないと考えられます。
後から考えると、侵襲性が低い「放射線治療」の方を提案されて良かったと思っています。
放射線治療についての体験談は、後日別記事で紹介したいと思います!
まとめ
犬猫の鼻腔内腫瘍の80%以上は、悪性腫瘍といわれているため、楽観視できない病気です。
また、経験上、初期症状の段階では「鼻腔内腫瘍」は疑われない傾向があり、「ウイルス感染(猫風邪)」もしくは「慢性鼻炎」と診断されることが多いのかもしれません。(実際にメイの場合もそうでした)
また、悪性の鼻腔内腫瘍は、完治が難しい病気といわれています。
そのため、治療をして一時的に良くなっても、再発する可能性があり、今後は症状が悪化しないように注力する必要があります。
メイは、2024年6月の時点では放射線治療中のため、まだ鼻詰まりが寛解してません。
また経過が変わり次第、こちらのサイトで報告したいと思います!
15歳のメイですが、鼻腔内腫瘍に打ち勝つため、日々奮闘中です!
治療、頑張るニャン!