こんにちは!メイ(猫・ラパーマ)の飼い主・Asumeiです!
今回は「猫の強制給餌」についてお話していきたいと思います。
強制給餌は、獣医師の指導のもとで行い、猫のストレスを軽減するように行う必要があります。
しかし、猫に強制給餌をすることは簡単なことではありません。
今回は、猫の強制給餌のやり方(2パターン)・嫌がる場合の対処法・おすすめのフードなどをご紹介します。
猫の強制給餌とは?
強制給餌とは、何らかの理由で自力で食べられなくなってしまったペットにシリンジや指を使って、強制的にフードを与えることです。
何らかの理由とは、病気・ケガ・高齢による食欲不振など様々な理由があり、強制給餌をすることによって、栄養がつき、治癒を迎える可能性が高くなります。
猫は、1日半(36時間)以上、ご飯を食べないと「肝リピドーシス(脂肪肝)」のリスクが高くなるといわれています。
肝リピドーシス(脂肪肝)とは、絶食状態になると、体内の脂質が肝臓に蓄積してしまい、引き起こされる肝臓疾患です。
症状は、体重減少・元気消失・食欲不振などがあり、最悪の場合、死に至るケースもあります。
そのため、愛猫が食欲不振に陥ってしまったら、そのまま様子を見るだけではなく、すぐに動物病院へ連れていく必要があります。
うちの猫・メイの場合は、肝臓の数値の悪化により、食欲不振に陥ってしまったため、強制給餌をするようになりました。
猫の強制給餌のやり方
猫の強制給餌は、強制的にフードを与えるため、最初は慣れるまでスムーズに行うことができないかもしれません。
猫の強制給餌は、大きく分けて2パターンのやり方があり、「シリンジ」or「指」で与える方法があります。
ここでは、猫の強制給餌のやり方について、それぞれパターン別にご紹介していきます。
シリンジで強制給餌
シリンジとは、注射器の筒状の部分のことを指し、注射針がついていない注射器をイメージするとわかりやすいです。
このシリンジは、私が実際に動物病院で購入したもので「ニプロの30ml」で本来は人間用の「経腸栄養注入セット」のようです。
シリンジは、洗剤で洗ってしまうとガスケット(黒いゴムの部分)の滑りが悪くなるため、お手入れは、水洗いだけにしましょう。
初めて猫に強制給餌する方は、獣医師にやり方を教えてもらってから行う必要があります。
しかし、教えてもらってもなかなかうまくいかない場合は、私のやり方を公開しますので、参考にしてもらえばと思います!
やり方
1.まず猫の頭をこんな感じで左手で覆うように掴む(右利きの場合)
2.猫の口の右端から少しずつシリンジでフードを注入。
3.猫が飲み込むまで待つ
1~3を繰り返していく感じです。
シリンジでの強制給餌は、慣れるまで大変ですが、コツさえ掴めば初心者の方でも行うことが可能です!
獣医師の方が実際に強制給餌のやり方について説明している『三ツ池動物病院チャンネル』さまの動画を参考にすると、分かりやすいかと思います。
動画の方が参考になるニャン!
指で強制給餌
シリンジで挑戦してみたけど、上手くいかなかった…
シリンジで上手くいかなかった方は、指で与える強制給餌をやってみると、うまくいく場合があります。
当時、強制給餌未経験だった私は、シリンジでうまくできず、指で行ったら、なんと成功しました!
もし、シリンジでの強制給餌が上手くいかない方は、指で試してみるといいかもしれません。
これを何回か繰り返し行います。
『三ツ池動物病院チャンネル』さまの動画がとても分かりやすいので、実際に私も以下動画のやり方を参考にしました!
コツは、少量ずつ与えることで、ペーストを指に多めに取って与えてしまうと、猫がむせてしまったり、誤嚥の危険性が高くなります。
実際に私は、朝、時間がないからと少し多めにペーストを指に取って強制給餌してしまい、メイが飲み込むのが大変そうだったときがありました。
幸いメイは誤嚥にはなりませんでしたが、今思えば危険な行為だったと反省しています。
強制給餌は、口からペーストがこぼれることが多いため、下に新聞紙などを敷いておくと、後処理が楽になるので、おすすめです。
強制給餌におすすめのフード
ここでは、私がメイに実際に強制給餌したことがあるウェットフードを3つ厳選してご紹介します!
また、応用編として、ドライフードをペースト状にする方法も解説しているので、参考にしてくださいね。
ヒルズ『猫用 腎臓ケア k/d 缶』(ツナ)
ヒルズの『猫用 腎臓ケア k/d 缶』は、リンやナトリウムなどを調整し、腎臓の健康のために配慮され療法食です。
柔らかいペースト状のフードなので、シリンジでの強制給餌に適しています。
メイは、肝臓だけでなく腎臓の数値も高いので、このヒルズ『猫用 腎臓ケア k/d 缶』を強制給餌で適宜与えています。
ヒルズ『回復期ケア a/d 缶』
ヒルズの『回復期ケア a/d』 は、エネルギー密度・たんぱく質・脂肪を調整した、弱った愛猫に最適な療法食です。
質感は、『猫用 腎臓ケア k/d 缶』(ツナ)と同様に柔らかめのペースト状のフードです。
『回復期ケア a/d』は、メイがほぼ絶食状態だった時に獣医師から勧められ、初めての強制給餌に使用したものです。
柔らかめの質感なので、シリンジでの強制給餌におすすめです。
スペシフィック 『猫用 FKW 腎心肝アシスト ウェット』
スペシフィック 『猫用 FKW 腎心肝アシスト ウェット』は、腎臓・肝臓・心臓の機能をサポートする、栄養バランスに優れた食事療法食です。
質感は、ヒルズの『猫用 腎臓ケア k/d 缶』『回復期ケア a/d 缶』に比べて、少し固めのペースト状のフードです。
そのため、スペシフィック は、指での強制給餌にも適しています。
また、他のペースト状のウェットフードに比べて、100gあたりのカロリーが高いため、猫に効率よく栄養を摂取させたい場合におすすめです。
比較表
ヒルズ『猫用 腎臓ケア k/d缶(ツナ)』 | ヒルズ『回復期ケア a/d缶』 | スペシフィック『腎心肝アシスト』 | |
1缶の総量 | 156g | 156g | 100g |
1缶のkcal | 174kcal | 183kcal | 158kcl |
100gあたりのkcal | 約111kcal | 約117kcal | 158kcal |
質感 | 柔らかい | 柔らかい | 普通 |
おすすめの給餌方法 | シリンジ | シリンジ | 指とシリンジ |
100gあたりのカロリー = 缶全体のカロリー ÷ 内容量 (g) × 100
・『腎臓ケア k/d缶(ツナ)』の場合
100gあたりのカロリー = 174kcal ÷ 156g × 100 = 111.538…kcal
・『回復期ケア a/d缶』の場合
100gあたりのカロリー = 183kcal ÷ 156g × 100 = 117.30769…kcal
※スペシフィック『腎心肝アシスト』は、元々100g当たりのカロリーが表記されていたので、計算式は記載しておりません。
スペシフィック『腎心肝アシスト』は、100gあたりのカロリーが高いので、強制給餌のフードとしてかなり優秀だと思います!
また、スペシフィック系の商品は、品薄状態が続いていたのですが、最近やっと手に入るようになりました。(2024年4月の時点)
スペシフィック『腎心肝アシスト』は効率よく栄養を摂取できるから、体重が少し増えるニャン!
そうだね。
スペシフィック『腎心肝アシスト』は、肝臓と腎臓の疾患を持つメイにとっては、なくてはならない存在です!
猫が強制給餌を嫌がる場合
猫が強制給餌を嫌がる場合は、体をタオルで巻き、暴れないように固定してから行うと、やりやすくなります。
また、慣れるまでは、猫を「保定する係」と「給餌をする係」の2人で分担して行うと、多少負担が減ります。
最初は、猫のストレスを考えて、強制給餌する時間を短くするため、一口、二口から始め、慣れてきたら徐々に給餌する時間を増やすといいかもしれません。
注意点として、強制給餌をする際は、猫が仰向けの状態で行うと、誤嚥の危険性が高くなるので、必ず猫がうつぶせになる状態で行ってください。
猫に強制給餌をする量と回数
猫に強制給餌をする量や回数は、獣医師の指示に従って行うことが基本ですが、食べられる量は、個体差があるため、様子を見ながら与える必要があります。
うちの猫・メイの場合は、当時、ほぼ絶食状態だったため、ペースト状のフードを1日100g(1缶)与える必要がありました。
回数は、「朝・夕の1日2回の強制給餌で良い」と言われていましたが、1回につき50gを強制給餌するのはかなり困難でした。
そのため、メイの場合は、100gのペースト状のフードを1日4回に分けて、強制給餌することにしました。
与える間隔は、厳密には決めていませんでしたが、だいたい「9時・12時・18時・21時」の時間に強制給餌を行っていました。
もし、適切な回数や量が分からない場合は、猫の体調によって異なるので、かかりつけの獣医さんに相談してみましょう。
今は、食欲も若干戻ったため、1日2回の強制給餌で合計50gを与えています。
1日4回の強制給餌は大変だったニャン…
猫に強制給餌をするべきか?
強制給餌は、無理矢理ご飯を食べさせる行為なので、猫にとってストレスになる場合があります。
そのため、飼い主さんは、猫に強制給餌をするべきか悩んでいる方もいるかと思います。
強制給餌をするべきかは、やることによって、大幅な延命が見込まれる場合とそうでない場合で、考え方が変わってくるかと思います。
もし、大幅な延命が見込めない場合は、「強制給餌をしない」という選択肢をとったとしても、飼い主さんが愛猫のことを一生懸命考えた結果であるのであれば、それは正解だと思います。
私も今は、メイに強制給餌をすることによって、良い状態をキープしながら、大幅な延命が実現できているので、やってよかったと思っています。
しかし、今後、メイの状況が変わり、先がそう長くないと判断した場合は、「強制給餌をしない」という選択肢を取る可能性は十分あります。
飼い主さんがどんな選択をしたとしても、猫を思ってのことなら、それが正解だニャ!
まとめ
猫の強制給餌は、慣れるまでかなり難しく、少量ずつ与えないと誤嚥の危険性が高くなります。
そのため、最初は猫の負担にならないように1回あたりの給餌を少量かつ短時間で済ませ、慣れてきたら徐々に給餌の量と時間を増やすといいかと思います。
また、強制給餌は、一般的にシリンジで行いますが、うまくできない場合は、指で直接与える方法の方が経験上やりやすかったので、一度試してみることをおすすめします。