「猫がくしゃみをするようになった」「猫の鼻水が止まらない」などの症状が出たら、それは猫風邪かもしれません。
猫風邪は、人間の風邪と違って、長期化と再発のリスクが高くなりがちです。
愛猫・メイは、譲渡してもらった時から猫風邪を発症していたため、様々な治療をしてきました。
猫風邪は厄介な病気だニャン…
今回は、猫風邪の「基本的な知識」と実際にメイに行ってきた「治療法」などをご紹介していきます
猫風邪とは?
猫風邪とは、ヘルペスウイルス、カリシウイルス、クラミジアなどのウイルスに感染し、人間の風邪のような症状(くしゃみ、鼻水、結膜炎など)が出る上部気道感染症の総称のことです。
実際に猫風邪という病名はありません。
くしゃみ・鼻水の症状が続くと、動物病院では「慢性鼻炎」と診断されることもあります。
猫風邪は、かなり厄介な病気で「風邪なら自然と治るだろう」と思うかもしれませんが、人間と違って猫はそうはいきません。
理由は、猫風邪の原因となるウイルスは、猫に感染すると生涯にわたって潜伏し、免疫力が低下したときに再発するといわれているからです。
猫風邪の原因であるウイルスを殺す薬がないため、現状、対症療法しか治療法はありません。
したがって、猫風邪の症状が確認できたら、早期治療をし、良い状態をキープし続けることが大切です。
猫風邪の症状
猫風邪の症状は多岐に渡ります。
猫は「匂いでごはんを食べる」といわれているほど、鼻は重要な役割を持っているため、猫風邪が悪化すると、ごはんを食べなくなるケースもあります。
そうなると、どんどん衰弱してしまい、命に関わる場合もあるので、要注意です。
メイも鼻が詰まると、食欲がなくなっていました。
鼻詰まりは辛いニャン…
猫風邪の治し方
猫風邪の治し方は、残念ながら特効薬がないため、対処療法を中心に治療を行うようです。
主に抗生剤(抗生物質)や点眼・点鼻薬で治療を行うことが多く、症状によっては、ステロイドを処方されるケースもあります。
ステロイドは肝臓の数値が上昇するリスクがあるため、症状が重い猫に短期間だけ使用するそうです。
メイの場合は、「鼻水・鼻詰まり・くしゃみ」が主な症状だったため、最初は抗生剤と点眼薬(点鼻として使用)を処方されました。
抗生物質は様々な種類があり、何が処方されるかは獣医師に委ねられます。
また、動物病院によっては「薬剤感受性検査」を勧める場合があり、鼻水からどの抗生剤が有効か調べることができます。
鼻水の「薬剤感受性検査」
猫の鼻水の原因が感染症によって引き起こされているのであれば、鼻水の薬剤感受性検査を受けることにより、有効な抗生剤を処方してもらうことができます。
メイは、薬剤感受性検査を受け「10項目中7個」の抗生剤が有効だという結果が出ました。
赤枠の部分が「感受性あり」という結果で、この抗生物質が効くという判定です。
薬剤感受性検査を受けるメリットとデメリット
薬剤感受性検査を受けるメリットは、効かない抗生物質を使用しなくて済む点です。
デメリットは、検査費用が少し高い点です。
ちなみに、メイが受けた動物病院の薬剤感受性検査の金額は、8,000円(税抜)でした。
例え、検査費用が高かったとしても、効かない薬を使用し、不必要なお金と時間を浪費してしまうかもしれない可能性を考えれば、8,000円払って検査し、有効な抗生物質が分かった方が逆に安く済むかもしれません。
※検査結果が出るまでの期間は、鼻水を採取してから1週間程度かかりました。
もし、まだ薬剤感受性検査を受けたことがない場合は、一度検討してみる価値はあると思います。
猫風邪に使われる抗生物質
猫風邪の一般的な治療法は「抗生物質の服用」です。
私の経験上、動物病院へ行って猫風邪を治療する場合、だいたい抗生物質を処方されるパターンが多かったです。
なぜ猫風邪に抗生物質の服用が有効なのか?
抗生物質は、細菌を壊したり、増殖するのを抑えたりする効果が期待できる薬で、感染症である猫風邪に使えば、症状の緩和が期待できます。
ちなみに、抗生物質は、獣医さんによって「抗生剤」「抗菌薬」と呼ぶこともあります。
ここでは、実際にメイに使用したことがある抗生物質の体験談をご紹介します!
では、1つずつどういう効果や副作用があったか、ご紹介します。
バイトリル
バイトリルは、猫風邪の治療薬として、代表的な抗生物質のようです。
メイの場合、最初の方は効果がありました。
副作用は特になく、随分良くなり、一旦やめてしばらくは良い状態をキープしていました。
ビクタス
メイは肝炎・膵炎・胆管炎の三臓器炎を発症してしまい、その治療で処方されたのが「ビクタス」でした。
ビクタスは、抗生物質なので、猫風邪にも使われるらしく、今回の目的ではない鼻の症状にも効果がありました。
しかし、鼻水が止まったのは良かったのですが、鼻詰まりが発生してしまったので、服用後、しばらくしたら苦しそうにしていまいた。
セファレキシン
セファレキシンの効果は抜群でした!鼻水も止まり、鼻詰まりも解消されました。
しかし、副作用として嘔吐と下痢が出てしまい、やむなく中止。
薬剤感受性検査の結果では、耐性がなく、使える薬なので、残念です。
オーグメンチン
オーグメンチンは、飲ませたら効果が出る前に嘔吐してしまいました。
残念ながら、メイには合わなかった抗生剤でした。
クリンダマイシン
クリンダマイシンは、本来、歯周病の治療に用いられる抗生剤らしいのですが「試しに効くか使ってみよう」ということで処方してもらいました。
使用した結果、副作用は特にありませんでしたが、鼻水がダラダラと流れ続けていたので、メイには有効ではなかったのだと思います。
後日、2度目の薬剤感受性検査(1度目は数年前)を受けた結果、クリンダマイシンは、メイにとって有効ではなかったみたいです。
薬剤感受性検査は過去に受けたとしても、以前有効だった抗生物質が年月が経つと変化する場合があるそうなので、定期的に受けるといいかもしれません。
アモキクリア
アモキクリアは、青い錠剤で見た目が毒々しいのが特徴です。
メイの鼻水には、アモキクリアが有効で、とてもよく効きました!(たぶん合計半年以上は飲ませていたと思います)
鼻水も止まり、鼻詰まりもなくなり快適な日々を過ごしていたのですが、しばらくすると鼻詰まりが酷くなってしまいました。
獣医さんから「抗生物質を飲ませることで、鼻詰まりが発生するとは考えにくい」との見解でした。
確かに、抗生物質は菌を殺すための薬で、鼻水が少なくなり、くしゃみもしなくなります。それに伴って、鼻が詰まるとは考えにくいです。
猫に人間用の風邪薬をあげていい?
猫に人間用の風邪薬を絶対に与えてはいけません。
人間用の風邪薬には、猫にとって毒性のある成分が含まれている場合があり、死に至らしめることもあります。
猫風邪の症状が出たら、必ず動物病院を受診し、獣医師の指示に従って治療を行ってください。
現在のメイの状態(2024年5月の時点)
メイは、猫風邪歴11年。
鼻は常にグズグズで、くしゃみをして鼻水をよく吹き飛ばしていました。
抗生剤を使ったりもしましたが、鼻水は止まっても、逆に鼻詰まりになってしまったり、炎症状態が続く日々。
そして、ある日、鼻の状態が悪かったので、久々に「アモキクリア」を使用することになったのですが…。
アモキクリアを飲ませ始めて、しばらくはとても良い状態が続きました。
しかし、アモキクリアを飲ませてから2週間くらい経った頃、鼻詰まりが酷くなり、24時間ずっと「ガーガー」と苦しそうな呼吸音になってしまいました。
獣医さんが推察するに「鼻腔内の壁?が肥厚している可能性がある」とのこと。
肥厚は、抗生剤やステロイドでは解消するのは難しいそうです。
そのため、今度、精密検査を受けるため『日本大学動物病院』へ行くことになりました。
『日本大学動物病院』へ行った体験談については、また後日記事をアップしたいと思います!
まとめ
猫風邪は、完治が難しい病気なので、適切な治療を行い、症状の軽減を目指していきます。
猫風邪の症状が長期間続くと、鼻の粘膜が肥厚する可能性があり、抗生物質やステロイドでは回復が難しくなり、最悪の場合、外科手術が必要になるケースもあるそうです。
猫風邪はワクチンで予防し、もしなってしまった場合でも、獣医師の指示に従って治療し、症状軽減を目指すことになるかと思います。
猫風邪は大変だニャン…
少しでも猫風邪の症状が出たら、なるべく早く動物病院を受診するようにしましょう!